必殺仕事人2020

 昨日放映されたものの録画を見終わりました。

 一言で言うと、終始安定して見られる作品でした。

必殺仕事人2020[DVD] - 東山紀之
必殺仕事人2020[DVD] - 東山紀之

 以下は細かい感想です。(あらすじはかなり省略・ネタバレ有)

 冒頭は事前にネットのニュースを見てしまったため、驚き半減(ってか9割減)でした。

 登坂さんが現役時代、“麿”と呼ばれ人気があったのは知っています。でも私はなぜそんなに持ち上げられたのかさっぱりわからなかった。このニュースはどうでもいい話題でしたが、登坂さんが最後に盛大にネタバレしたため、恒例の『冒頭色物キャラがやられる』シーンが全く楽しめなかったです。そう、所詮色物キャラ枠です。

 その直後のナレは引き続き市原悦子さん。2019のときは追悼テロップ流れてて感動したけど、今回は使い回しじゃね?と思ってしまいました。次回からは存命の方希望です。講談師の神田伯山さんとか良さげ。

 本編。

 今回は“オレオレ詐欺”(劇中では「親だまし」)がテーマでした。


 仕事人時空の江戸では、893とグレ者というワルが存在していました。そして渡辺小五郎属する元町奉行所では、前者の摘発に力を入れている。

 その指揮を執っているのが奉行の湯川(市村正親さん)、その部下の与力・田上(杉本哲太さん)が新任でやってきます。

 …って、え?

 『893』(劇中ではカタカナ)連呼してるけどどうなの?黒々と奉行所にスローガンの紙ぶら下げちゃっているけど大丈夫なの?今は大抵の場所で『反社会的勢力の皆さん』とかぼかしてるけど、この直球っぷりに腰抜かしました。今回も攻めてます。

 『グレ者』はまんま『半グレ』なわけだけど、『グレ』の語源のトリビアも出てきて勉強になりました。(知ってたけど)

 ひょんなことで小五郎は放置子(つゆ)の面倒を見ることになり、経師屋はその母親(たけ)と知り合う。

 たけは自分の店を持ち、そこで娘と暮らすのが夢。そのために娘を親せきに預け、自身は住み込みで水茶屋で働きお金を貯めている。

 この世界の狭さが仕事人。

 さらにリョウは現在庭師を生業としていて、表の仕事で出入りしているのが田上の屋敷。そこで引きこもりの息子・新之丞と懇意になる。

 リョウに心を開いた新之丞は外に出るようになり、二人で歩いているときにふと覗いた私塾・新生塾に通うようになる。

 この私塾、二人が見つける前に登場していて、代表の溝端が駿河太郎さんだから怪しいと思っていた。そこにリョウ&新之丞が通うことになって、まあお膳立てが揃ったな、と思いました。

 この世界の狭さが仕事人。(大好き)

 駿河さんは親子二代で必殺出演ですね。当時は、あの鶴瓶が…って感じで怖かったです。

 第一の仕事の依頼人はおつゆちゃん。

 グレ者は年寄りだけではなく、母子家庭もターゲットにしていた。おたけは証文にサインするとき、グレ者に筆に手を取られながら書いてたから、もしやと思ってたけど、やっぱり読み書きできなかった。そんなこんなでせっかく貯めたお金も騙し取られ、グレ者に詰め寄るも刺されて亡くなります。それをおつゆちゃんが見てしまうという。

 おたけちゃん、可愛くて母親頑張ってる感じも出てて良かったです。生きながらえて加代ポジションに収まってほしかったです。

 おつゆちゃん、お涙頂戴的な芝居じゃなくて、必死に生きている子感が良かったです。小五郎を“ムコ殿”と呼ぶのも好き。いろんなところに出ている子役さんかと調べてみたら、私が見ていたものは丸美屋ののりたまCMだけでした。のりたま一家、お母さん役が木村佳乃さんなんですよね~。ヒガシ家でそういった会話がされたのかな~などと妄想捗ります。

 で、ターゲットのグレ者衆が仕事されます。が、小五郎の仕事したグレ者が大金を運んでいたことから、黒幕がまだいるのではということになります。ここ、金に汚い主水だったら絶対に落ちた小判の一部をガメてるんだけど、全く手をつけなかったのが小五郎らしいと思いました。(冒頭、登坂(のぼりざか)から袖の下を受け取らなかったのも同様)


 新之丞のほうはどうなったかというと、新生塾での熱心さを買われ、更なるステージへと昇格します。(悪い意味で)

 そこでやらされたのがオレオレ詐欺ていうところの“かけこ”と“うけこ”。この場合は電話ではなく手紙を書いているんですが。“うけこ”をしているときにリョウに見つかって咎められたり、溝端一味のやり取りを聞いて、元ヒッキーの世間知らず・新之丞はやっと真相がわかるのですが、時すでに遅し。詐欺の首謀者にされてしまいます。

 それを知った田上は自ら息子を手にかけ、表向きは新之丞が切腹した体にします。

 その直後、奉行・湯川が田上の屋敷に現れます。

 息子共々責任を取らせるため、田上に切腹を命じ、湯川は介錯を申し出ます。

 田上が切腹したところで湯川ネタバラし。

 黒幕は自分だと。

 893を摘発したのは、グレ者が活動するのに邪魔だから。(←かなり粗い説明です)

 そして介錯せずに立ち去ります。これ、武士として最悪。田上さんは酷い死に方をしたことになります。湯川許すまじ。

 遺された田上の妻・しずえが第二の依頼人。

 新生塾スタッフ、塾長溝端、奉行湯川がターゲットです。

 スタッフ→経師屋、溝端→リョウ、湯川→小五郎の順に仕事が進みます。

 経師屋は安定のレントゲン。リョウは園芸鋏(大久保型鋏というらしいです)が今回の得物になりました。今まで危なっかしかったリョウの”仕事”ですが、劇中でも大きく成長したようで、経師屋がこっそり裏手でサポートしようとしていましたが不要だったという描写がされています。
藤光 大久保鋏 180mm
藤光 大久保鋏 180mm


 トリは小五郎。屋外での決闘です。

 市村さん、舞台の人だからオーバーアクションだったら困ると思っていましたが、ものすごく抑えた演技をなさっていて最高でした。田上さんを始末するときは、サスペンスドラマの崖の上の犯人のごとくメチャメチャ饒舌だったのに、小五郎に斬られたあとは一言も発しない。過剰に苦しむこともなく、静かに息絶えたところが良かったです。インタビューで時代劇に非常に敬意を表されていて、少し意外だと思ったとともに、感銘を受けました。

 おつゆちゃんは未亡人・しずえさんが引き取り、江戸を去ったようです。

 渡辺家にて、子供がいると賑やかだったね~云々やり取りがあって、了。



 以前の仕事人でも中村家の養子候補が出てくるとか、赤ん坊を預かったとかいうエピソードがありましたが、今回はその渡辺家版といったところでしょうか。中村家の場合は、せんりつに辟易して出て行っちゃったとかいう結末だと記憶しております。
 おたけ・おつゆ母娘は非常に好感が持てました。仕事人だから悲しい結末になるだろうことは思ってましたが、おたけちゃんの夢は叶って欲しかった。
 田上家は去年実際にあった官僚の家庭がモデルでしょうか。必殺だったらもっと際どい感じでやるかと予想していましたが、思ったよりマイルドでした。哲太さんだったからかな。実際の事件のように息子が暴力振るったりしなくて、新之丞ただの世間知らずな坊ちゃんでした。
 最後に二つの家族が繋がった(おつゆ・しずえ)に救いを感じました。
 新生塾のモデルは…う~ん、わからない。いろんなものを混ぜて薄めた感じでしょうか。
 奉行所の二人、奉行・湯川、与力・田上が重要キャラだったからか、同僚の住之江さん、与力の増村さんは今回出番少なめでした。でもクローズアップされちゃうと死んでしまう場合が多いから、それでよかったです。この二人は裏世界に触れないままでいてほしい。
 てんぷくコンビは前回より馴染んで良くなりました。なんとなく緑子さんに菅井きんさんの面影が重なります。
 仕事人メンバー。
 今回は昔の因縁云々のない話で、ドライな仕事ぶりでした。(嫌いじゃない)前にも書きましたがリョウが成長したのが嬉しかった。今まで情に流されまくるし、仕事でもしくじるし、表の仕事をしっかりやっていることが仕事人だと思っていましたので、ホントにコイツ必要?と思っていました。しかし今回はちゃんと定職についたっぽい。そういう設定上での”しっかり”もありますが、知念くんが上手くなっていたということが一番だと思いました。少年から大人になったなぁ、という。(ジャニヲタではないので詳しくはないです)上に書いた殺しの場面での成長の描写だけでなく、他の場面でも半人前扱いされておらず、リョウ自身も弱気にならず、覚悟を決めた人間として描かれていました。
 経師屋は安定感がすごい。ブレない。今回出番少なかったけど。そしてやっぱり坊主頭のほうが良い。ちなみに娘たちに「ミタゾノさんだよ」とおしえたところ、非常に驚いてました。
 最後に小五郎。だんだん主水との違いがはっきりしてきて、新たな”八丁堀”像が確立してきたなぁと思います。何年も言ってますが、私は渡辺小五郎が大好きです。

 2007年からはじまった”新生仕事人”。ここにきてやっと安定してきたと思っています。時代劇貴重だからこれからも細々とでもいいから続編を出してほしいと心から願っております。


→必殺仕事人2019 の感想はこちら。 「2020は大江戸オリンピック?とか言ってる自分が恥ずかしすぎ。

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